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Methods

一人で、エリアを変えていく。

そのために僕が実際にやっていることを、6つのフェーズとして整理しました。

これは、長崎坂宿での実践から組み立てたものです。

自分で物件を探し、取得し、改修し、事業をつくり、運営する。その中で起きた失敗や想定外の出来事を、一つずつ次の判断につなげてきました。

その経験を振り返り、共通する考え方と手順を整理したものが、この方法論です。

考え方の背景(「大きく描いて、小さく実行する」「縮退社会の地域開発」)については、IDEASにまとめています。ここでは、その考え方を実際にどう手順に落とし込んでいるかを説明します。

フェーズ1|エリア分析

大事なことはその場所の特徴を見つけることです。

その方法の第一歩として、エリアを分析することです。

広域から敷地まで、スケールに応じて分析することです。それぞれのスケールで、そこに応じた必要な情報をプロットしていきます。交通や都市のアンカーとなる施設、人口集積地の分布、人の流れ——スケールが変われば、見るべき情報も変わります。

このプロットは、人に任せず自分の手を動かしながら進めます。手を動かして情報を一つずつ整理していく過程そのものが、その場所を読み解く独自の視点を養います。僕はこれを「手で考える」と呼んでいます。

この分析が、次のフェーズで決める「ゴールの形」の土台になります。

フェーズ2|遠くのゴールを設定する

分析を進めていくと、きっと朧げながらその街の特徴に気づけると思います。

例えば、街としては人口が減っているが自身の敷地は人口が増えているとか、子育て世代が多い、歴史が深いと地域住民は思っているが周辺と比べると見劣りしてしまう、人は少ないが近くの国道は大きな観光地と大都市との通過点で通過人口は多い、全く人が寄り付かず人家はないが夜空は綺麗だ・・・。

何かしら、どのような場所でも何かしら特徴はあります。

あなたのやりたい事、世間で今流行ってることには不向きかも知れません。しかし、その場所でしか成立しないことと、あなたのやりたい事を組み合わせてその場所の可能性を考えてみるとそれこそが、その場所でしか成立し得ないゴールなのです。

​そしてその方向が見えたら、どんなものがそこにあるのが理想なのかをぜひ、神様にでもなったつもりで思い描いてみてください。それが遠くのゴールとなります。

フェーズ3|一軒目に着手する

フェーズ2で遠くのゴールを設定できたら、いよいよ最初の一歩を踏み出します。

まずは現実的に可能な小さなゴールを設定してください。この小さなゴールの延長線上に遠くのゴールがあると考えてください。

小さなゴールが設定できたら、ぜひ計画だけでなく実行に移してください。
実行に移すのが難しい場合は、ぜひ実行可能な規模まで小さくしてください。

事業として成立させる

事業が回らなければ続きません。取得費、改修費、運営費、売上。必要な投資と収益を考え、無理なく継続できる事業の形をつくることが重要です。

一気にゴールを目指すのではなく一歩一歩、歩みを進めてください。事業継続をしていくことでどんどん事業も信用も大きくなっていきます。

フェーズ4|2軒目以降へ連続させる

一軒目でうまくいったら、二軒目も同じことを繰り返してください。別のことをせずに同じことを繰り返してください。もし1軒目がうまくいかなかったと感じているのなら、もう一度フェーズ2に戻ってください。遠くのゴール設定を変えるのか、近くのゴールを変えるのか。

​ぜひ、次の物件に行く前に1軒目の改善を考えてください。

運営してみないと分からないことが、必ずあります。計画通りだったこと。計画通りにならなかったこと。予想していなかった可能性。

一つで良いので、次の物件では改善してください。

一つのプロジェクトを完成させることより、一つのプロジェクトから次の判断を得ることを重視する。一軒の成功を、一軒で終わらせない。

同じエリアの中で、連続させていく。

ここが、単発のリノベーションとの大きな違いです。

フェーズ5|点が面になる

物件が増えると、建物同士に関係が生まれます。宿泊施設と店舗、店舗と広場、施設と施設。

人が施設の間を移動し、回遊が生まれる。

一軒ずつでは生み出せなかった価値が、建物同士の関係から生まれてきます。

人の流れが変わり、新しい店が生まれる。
周辺の空き家が使われ始める。新しい担い手が現れる。
点だった建物がつながり、やがて面として地域を変えていく。目的は、建物をたくさんつくることではありません。

エリアが変わることです。

そして、この段階で公共性が立ち上がってきます。夜道が明るくなる、人が歩くようになる、周辺で新しい活動が始まる、自分もやってみようという人が現れる。

最初から「公共のため」と掲げたわけではありません。事業として成立させ、続けた結果として、公共的な価値が生まれてくる。公共性は目的ではなく、成果です。

フェーズ6|方法論として次へ渡す

一つの地域で得た経験を、その地域だけで終わらせない。何がうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのか、どんな条件なら、別の場所でも応用できるのか、実践を振り返り、言語化し、他の地域でも使える形へ更新していきます。

長崎坂宿は、一つのエリアにおける実験です。

そこで得た判断基準や失敗、ノウハウを、研究会、スタディツアー、講演、ワークショップ、プロジェクトへの伴走などを通じて共有しています。

僕が目指しているのは、自分が全国の地域を開発することではありません。これからの社会では、それぞれの地域に、その地域を動かす人が必要です。

その人が自分の意思で場所を選び、自分が背負える範囲から始め、事業として成立させ、実践し、失敗し、また次へ進む。

一人の実践者が一つのエリアを変える。その方法を、別の誰かが別の地域で実践する。

そうやって、「ひとり地域開発」という選択肢そのものを増やしていく。

個人として、これから始めたい方へ

まず考えるべきは、どのエリアを選ぶか、その場所をどうしたいか、最初の一軒をどこに置くか——この3つです。実際の実践内容はPROJECTをご覧ください。実務手順を体系的に学びたい方は、12ステップのカリキュラムを扱う研究会、現地で体感したい方はスタディツアーご案内しています。

行政として、実践者が動ける環境をつくりたい方へ

ひとり地域開発は意思決定を一人に集中させる方法で、合議を前提とした行政組織にそのまま持ち込むことはできません。ただし、一人の実践者が動ける環境をつくることは、行政にしかできないことでもあります。空き家・遊休不動産の情報開示、用途変更や許認可手続きの整理、補助金以外の形で民間事業が継続できる条件づくりなど、実践者と行政をつなぐ関わり方についてはご相談ください。

企業として、地域の実践者と関わりたい方へ

遊休不動産の活用、一軒単位から始める小規模開発、地域事業の立ち上げ、社員向けの研修・視察など、企業の資源と地域の実践者をつなぐ形でのプロジェクトについてもご相談を承っています。

地域開発を、特別な人だけのものにしない

大きな資本がなくても、一人から始められる。一軒からでも始められる。失敗しても、やり直せる。その小さな実践を、次の一軒へ、次の人へ、次の地域へ渡していく。

「ひとり地域開発」という方法を、地域を変えるための一つの選択肢にする。

 

長崎坂宿での実践を、方法論へ。方法論を、次の実践者へ。

それが、僕が目指している地域開発です。

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INFO

COMPANY

ADDRESS

ESTABLISHMENT

SERVICE

OFFICER

小笠原企画

〒810−0001 福岡市中央区

天神5-9-2-307

2016年1月1日

建築企画、設計
​まちづくり、地域開発

宿泊及びレンタルスペース運営
 

代表 小笠原太一 >>profile

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